Webライターの仕事は、単発案件と継続案件の2つに分けられます。継続案件を獲得できれば、売上を維持できるので収入も安定します。しかし、継続案件は自然消滅することもあるので、案件が終了したときに慌てずに済むように、あらかじめ対策を講じておくことが大切です。
今回は、Webライターとして活動している方々に向けて、案件が自然消滅する理由やその対策について詳しく解説します。Webライターとしてのキャリアと安定した収入を守るために、ぜひ参考にしてください。
そもそも“案件の自然消滅”とは?
“案件の自然消滅”とは、クライアントからの明確な終了連絡がないまま、仕事が途絶えてしまう状態です。毎月コンスタントに依頼があったのに突然連絡がこなくなることもあれば、徐々に依頼数が減少して最終的に依頼ゼロとなることもあります。
一度案件の自然消滅を経験していると、「このクライアントはそろそろ終了するかも」となんとなく分かるようになります。
案件の自然消滅は、フリーランスで働くWebライターにとって非常に厄介です。クライアントからの連絡が途絶えると、「なんで?」「え、どうした?」と不安を感じたり収入が不安定になるリスクに焦りを感じたりすることになります。もし継続案件が終了となれば、収入は不安定になる可能性が高くなります。
納期を守って記事を納品し、クライアントが報酬を支払っていれば取引自体は問題なく終了です。「1ヶ月○記事」「6カ月間の継続」のように具体的な契約をしている場合を除いては、新たに発注するかどうかはクライアント次第となります。
再度案件の募集をかける予定がある、もしくは今後も機会があれば依頼したいと思っている場合は、「〇月分で依頼を一時停止します」「社内体制変更のため発注が難しい状態です」のようにアナウンスされることもあるでしょう。
ただし、多くの場合は何も説明がないまま自然消滅となります。
Webライター案件が自然消滅する主な理由
継続案件を発注してくれているクライアントからの連絡が途絶えると、不安な気持ちが大きくなります。自然消滅の可能性もありますが、単に連絡ミスの場合もあります。まずは焦らずに、どのような理由でクライアントからの連絡が途絶えているのか考えてみましょう。
以下では、Webライターの案件が自然消滅(連絡が途絶える)する主な理由を解説します。
クライアント側の体制や予算変更
Webライターの案件が自然消滅する理由の1つが、クライアントの体制や予算の変更です。クライアント側の経営状況や方針によって決まります。予算変更の場合は、予算に応じた提案を行うことで、継続してもらえる可能性はあります。文字単価や記事単価が下がったとしても、依頼がゼロになるよりは収入面のダメージを軽くできます。
メディアの方向性が変わる場合は、ライターの数を減らしたり他のライターを新たに採用したりすることもあるでしょう。この場合は、ライター側も新たなクライアントを探す必要があります。
担当者の退職や異動による連絡途絶
窓口となっていた担当者の退職や異動がきっかけで案件が自然消滅することもあります。新しい担当者がライターを引き継ぐ場合は依頼も継続されますが、引き継がれないときは連絡が途絶える可能性が高いでしょう。
長期継続であれば、担当者の変更は珍しいことではありません。私が5年間継続でお仕事をいただいていたクライアントは、2回ほど担当者が変わりました。都度、担当者が変わる旨の連絡があり、滞りなく取引が続きました。
ライターが引き継がれなかったとしても、新しい担当者に自らアピールすることで受注につながることはあります。その場合は、新しい担当者との関係性を一から構築していきましょう。
納品物の品質・対応に対する不満
クライアントが納品物の品質や対応に不満を抱えている場合、案件が自然消滅することもあります。クライアントが求める品質や対応に達していないことが原因です。
細かくフィードバックをしてくれるクライアントもいますが、わざわざ伝えることはせずに他のライターを探すクライアントも少なくありません。品質や対応の不満を伝えられないままだと、何が悪かったのか分からないのでライター側はモヤモヤが残ります。
コミュニケーションの頻度のズレやタイムラグが不満の原因となることもあります。
単純に忙しくて返信が後回しになっているだけの場合
クライアントが単に忙しくて返信が後回しになっていることも考えられます。継続案件の意思はあるものの、連絡ができていないというパターンです。
連絡がこないとライター側は自然消滅が頭をよぎりますが、慌てずに焦らずに対処しましょう。連絡が後回しになっている可能性も考えて、軽くリマインドメールを送るのがおすすめです。あくまで「思い出してもらう」「存在を忘れずにいてもらう」ためのアピールなので、プレッシャーにならないように気を付けましょう。
ライター側がリマインドを行うことで、再度連絡を取るきっかけになります。
案件を自然消滅させないための予防策5つ
案件が自然消滅しないようにするためには、クライアントとの信頼関係の構築や相手が求めていることへの歩み寄りが大切です。収入面とメンタル面の安定のためにも、普段からできる予防策を講じておきましょう。
ここでは、Webライターが案件を自然消滅させないためにできる予防策を5つ紹介します。
1.納期を遵守し安定した品質を維持する
指定された納期を守り、安定した品質を維持することは、クライアントとの信頼関係を築くために重要です。数多くいるライターの中で、”価値あるライター”であることを目指しましょう。
ライター初心者や複数の案件を同時進行しているライターは、スケジュール管理が上手くできていないことが原因で遅延する可能性もあります。納期を守ることはライターにとって基本です。万が一納期に間に合わない場合は、判明した時点で速やかにクライアントに連絡を入れましょう。
継続案件は「慣れ」から品質が下がることがあります。レギュレーションに沿って品質を一定に保ち、「このライターになら安心して任せられる」と思ってもらい続けられることがポイントです。
2.修正依頼やフィードバックを前向きに受け止める
修正依頼への対応は時間がかかるし、そこにかかった時間には報酬が発生しないので、ネガティブに受け取るライターも少なくありません。しかし、修正依頼の内容やフィードバックにはより良いライターを目指すためのヒントが隠されています。
クライアントからの修正依頼やフィードバックは、前向きに受け止めましょう。しっかり対応して次に活かしてくれるライターは、クライアントからの印象が良くなります。コミュニケーションが円滑になり信頼関係も深まります。
案件の継続依頼を維持するためにも、前向きな姿勢で取り組みましょう。
3.納品後の“ひと言フォロー”で関係性を維持する
クライアントとの関係性を維持するために、納品後には一言フォローを入れるのが効果的です。
「お世話になっております。執筆が完了しましたので、納品させていただきます。ご確認のほどよろしくお願いいたします。」
これだけでも問題ありませんが、一言付け加えるだけで次回の依頼につなげやすくなります。
例えば、
- 今回もご依頼いただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
- 継続のご依頼、嬉しく思っています。引き続きよろしくお願いいたします。
- 修正や追加のご希望があれば、遠慮なくお知らせください。
- 前回のフィードバックをもとに、今回は○○を意識して仕上げました。
など、「丁寧さ」「前向きな姿勢」「相手への配慮」を含む一言がおすすめです。小さな気遣いが、長期的な関係を築くためのカギです。
4.クライアントの負担を減らす提案をする
クライアントの負担が減る提案をしてくれるライターは、クライアントにとってありがたい存在です。
構成込みの案件であれば、執筆に入る前に構成案を提出しておくだけでもクライアントの作業効率がアップします。過去に納品した記事に最新情報があれば、リライト対応できる旨を伝えるのも1つです。クライアントや読者にとって役立つライターであることを上手くアピールできれば、継続案件の維持につながります。
とはいえ、自分にとっての負担が大きくなってしまえば本末転倒なので、無理のない範囲で行うことが大切です。
5.長期契約化・月〇本の担当化を相談してみる
長期契約化や月〇本の担当化をクライアントに相談することも、案件を自然消滅させないためにできる1つの方法です。期間や1ヶ月あたりの収入を確保することで、一定期間は自然消滅のリスクを回避できます。
ただし、「固定費が増える」「縛られたくない」と考えるクライアントもいるため、相談は慎重に行いましょう。
また、契約期間が終了するタイミングで更新されるかどうかは、クライアント側の経営状況や方針、信頼関係、納品物の品質などによって決まります。自然消滅を完全に防げるわけではないことを理解しておきましょう。
すでに自然消滅してしまったときの対処法
「最近連絡がないな…と思っているうちに自然消滅してしまった」ということもあるかもしれません。すでに自然消滅している場合は、リマインドで反応を見て受注が期待できないようであればきっぱり諦めて頭を切り替える必要があります。
以下では、継続案件が自然消滅したときの対処法を解説します。
1~2回の軽いリマインドで反応を見る
自然消滅した可能性がある案件には、メールやメッセージ機能を使って1~2回程度軽いリマインドを行いましょう。クライアントの反応で今後の受注の可能性をチェックできます。
クライアントの反応を見たいときに例文は、下記の通りです。
お世話になっております、ライターの□□です。
最近の制作状況はいかがでしょうか?
また必要なタイミングがありましたら、お気軽にご相談いただければ嬉しいです。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
ポイントは、催促ではなく「様子伺い」というニュアンスの文章にすることです。軽いトーンで相手の負担にならないような内容を意識しましょう。
もし忙しくて連絡が後回しになっていた場合は、案件が継続する可能性があります。クライアント側の体制や予算変更などが理由の場合は、その旨の説明があるかもしれません。
追撃しすぎない
リマインドを行うときは、追撃しすぎないことが重要です。リマインドは1~2回まで、リアクションがないのにさらにメッセージを送ってしまうと、営業感が出てしつこい印象を与えてしまいます。催促のニュアンスが強くなるのは逆効果なので、押してもだめなら引いてみましょう。
クライアントが離れていった理由が分からない以上、むやみに後追いするのは賢明ではありません。1~2回のリマインドメールに返信がないのであれば、再度継続につながる可能性は低いと言えるでしょう。
無反応が続く場合の「フェードアウト基準」を設定する
リマインドをしたのに無反応だとモヤモヤしてしまいます。モヤモヤした気持ちはストレスの原因になるので、フェードアウトの基準を設定しておきましょう。
「1か月以上連絡がなければ諦める」「リマインドに1週間返信がなければ次に行く」のように、自分の中で基準が決まっていれば、いたずらにモヤモヤした時間を過ごすことが減ります。
Webライターに限らず、すべての仕事において出会いに別れはつきものです。「自分に原因があったのでは?」と落ち込んでしまう人もいますが、クライアント側に事情があるケースがほとんどです。
終了した案件が、数か月後、数年後に新たな案件につながることもあるので、ネガティブに捉えすぎないようにしましょう。
過去のやり取りから改善点を振り返る
終了した継続案件に固執する必要はありませんが、なぜ自然消滅になったのか理由を考える時間は大切です。過去のやり取りを振り返り、担当者とのコミュニケーションに問題はなかったか、受注から納品までの流れの中に改善点はないか分析してみましょう。
継続案件の自然消滅を振り返って気付いたことは、今後の案件獲得やライティングの糧になります。一度しっかりと振り返りをして、気持ちを切り替えた上で新たな仕事に向き合いましょう。
再度発注してもらうためにできること
自然消滅したクライアントとの関係をなんとか修復したい考えている人もいることでしょう。
自然消滅したクライアントから再度発注してもらえるかどうかは、どのような理由で自然消滅に至ったかによって変わってきます。ネガティブな理由でなければ、上手くアピールすることで再度発注してもらえる可能性はあります。
ここでは、自然消滅したクライアントから再度発注してもらうためにできるアプローチを紹介します。
間隔を空けて“近況報告+軽い提案”を送る
自然消滅かもしれないと思った段階で軽いリマインドを送っている場合は、間隔を空けて近況報告をしてみましょう。クライアントのニーズに合う軽い提案をセットにすると、次の依頼をイメージしやすくなります。
感覚の目安は、最低でも1ヶ月以上は空けたほうが無難です。関係維持を考えると、2~3ヶ月ぐらいで再度連絡してみるのが良いでしょう。
“近況報告+軽い提案”の例文
ご無沙汰しております、ライターの□□です。その後いかがお過ごしでしょうか。
近況のご報告となりますが、最近は新しいジャンルの記事執筆に取り組んでおり、日々学びながら業務の幅を広げているところです。最近、▽▽に関するご相談や事例が増えてきており、〇〇様の状況とも関わりがありそうでしたので、簡単に情報共有させていただきました。
またお力になれそうなことがあればご連絡いただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
近況報告では、「資格を取った」「新しいジャンルにも取り組んでいる」「生成AIの学習をしている」など、向上心を持って活動を続けていることをアピールするのがポイントです。その上で、”手が空いています”と軽いトーンで伝えて、自分の存在を再確認してもらいましょう。
最新のポートフォリオを共有して成長をアピールする
“近況報告+軽い提案”を送るときに、最新のポートフォリオを共有すると自分の成長をアピールできます。クライアントがライターのスキルを再認識することで、再度発注を考えるきっかけになります。
自然消滅する前と何も変わっていないポートフォリオを送っても意味がないので、定期的にポートフォリオを更新して現在の自分のスキルが伝わる内容に仕上げておきましょう。
最近の執筆実績をまとめたポートフォリオも、参考までに添付いたします。ご多忙かと思いますので、お時間のある際に軽くご覧いただければ幸いです。
押し付けや読むことを強要する形にならないように、あくまで軽い添付物として送るようにしましょう。
クライアントが困りやすいタイミングを狙う(繁忙期前)
再度発注してもらうためのアクションは、クライアントが困りやすいタイミングを狙うのが効果的です。繁忙期は急ぎではないメッセージへの返信率が下がります。場合によってはメッセージ自体が埋もれてしまい、再度発注してもらいたいという思いが伝わらない可能性があります。
クライアントの繁忙期が分かっているのであれば、繁忙期前に連絡をしておくと良いでしょう。そうすることで、忙しくなったタイミングで存在を思い浮かべてもらいやすくなります。
自然消滅は珍しくない。Webライターの心構え
自然消滅はWebライターにとって珍しいことではありません。Webライターの案件は流動性が高く、1つの案件が数年以上続くのはレアです。自然消滅はWebライターにとって避けられないことでもあるので、現状を受け入れて柔軟に対応することが大切です。
クライアントを絞ってしまうことは、収入減少や今後の仕事の在り方などの不安が大きくなる原因の1つです。自然消滅によるメンタルへの影響を小さくするには、複数のクライアントとつながりを持ってリスク分散する必要があります。
自然消滅したクライアントから再度発注してもらうための方法も紹介しましたが、期待しすぎずに「つながったらラッキー!」ぐらいの気持ちでいたほうがダメージは軽くなります。上手くいかなかったとしても、自然消滅した原因や自分自身の反省ポイントは新しいチャンスに出会うための糧になります。
自然消滅は防げる!復活の可能性もゼロではない
この記事では、案件の自然消滅とはどのような状態か、なぜ自然消滅になるのかについて解説しました。依頼がストップした理由やアプローチの仕方によっては、再度発注してもらえる可能性はあります。まずは言動を振り返って、改善できそうな点は改める努力をしてみましょう。
Webライターの案件が自然消滅するのは珍しいことではないので、自分を責めすぎたり必要以上に落ち込んだりする必要はありません。今できることをやってみて、復活が難しいようであれば新しい案件に目を向けてみましょう。

